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小林朝夫氏のビジネスモデルと消費者心理について(2)
2011/04/19 19:49

今回は前回投稿した(2011,4/18)から小林氏がどの様な手法を用いて閲覧者の心理
に影響を与え、アクセス数を伸ばしたかについて記す。
前回のブログ内容については

小林朝夫氏のビジネスモデルと消費者心理について(1)

で確認していただきたい。

まず結論を先に述べる。

小林氏が利用したマーケティング手法は「フリーミアム(Freemium)」と「コーズ・リレーテッド
・マーケティング(Cause Related Marketing)」である。


フリーミアム(Freemium)とは2006年に米国のフレッド・ウィルソンが自信のブログで提唱し、
ロングテール理論で有名なクリフ・アンダーソンの著書「FREE」でも取り上げられた
マーケティング手法である。

フリーミアムと語源は、「フリー」と「プレミアム」から造られた造語である。
その手法も造語の通り、無料(FREE)サービスで集客し、割増料金(Premium)が必要な
コンテンツを提供し、収益を上げるビジネスモデルである。

フリーミアムの成功の鍵は、魅力的な無料(FREE)価値を消費者に提供できるかである。

なぜならば、無料で提供できる財の価値が低ければ、割増料金(Premium)を払って得ら
れる財も同様に価値がないと判断されかねない。また無料で提供できる財で集客数が
十分に得られなければ、マーケティングMIXが消費者に適合していない事が明らかであり、
フリーミアムのビジネスモデルを実行するには、新たな無料価値のある財を模索しなけれ
ばならないという示唆を得られるからである。


次にコーズ・リレーテッド・マーケティング(Cause Related Marketing 以下CRM)とは
売上の一部を慈善事業などに寄付することを前提とした財を提供するマーケティング
手法であり1981年にアメリカン・エクスプレスが行った自由の女神の修復キャンペーンが
始まりであるとされている。

CSRが重視される今回の大震災において、震災義援金という大儀は、まさにCRM活動
そのものであり、企業イメージやブランドの社会的要因ないし消費者の購買意欲にも
大きく影響すると考えられる。


では上記の理論と実際を比較し、消費者の心理変容も交えながらながら解説していこう。

小林氏の主要情報はブログとツイッターで発信され、無料(FREE)の地震予測情報を提供
していた。
前回(2011 4/18)投稿した消費者心理で読み解くと、この無料情報は小林氏を欲求充足
対象と捉えた人にとって、非常に価値があり魅力的である事は言うまでも無い。

その後小林氏は4/13にツイッターによる情報提供から撤退し、ブログからの課金情報提供
(Premium)に移行した。

ツイッター情報(FREE)の打ち切りから閲覧者に対して、二つの心理現象が発生すると考え
られる。

一つ目は「最小関心の原理」である。
最小関心の原理とは惚れた人は相手との関係を失いたくない為、相手の指示通りに行動す
る傾向があるという原理であり、小林氏を欲求充足対象として捉えた人にとっては影響力が
あり、たとえ課金型ブログになっても彼からの情報は得たいと考えるであろう。

二つ目はツァイガルニック効果(Zeigarnik effect)である。
ツァイガルニック効果(Zeigarnik effect)とは心理学者であるクルト・レヴィンが、人間の記憶に
ついて「達成された課題よりも、達成されなかった課題や中断している課題の方が記憶に残
りやすい」という仮説をソビエトの心理学者であるツァイガルニックが実証した心理現象である。

TVCMにストーリー性を持たせ、途中で打ち切り視聴者の関心度を高めた後、WEBサイトに
誘導する構成はツァイガルニック効果を狙っているものと考えられる。

また同様の心理現象としてカリギュラ効果(Caligula effect)が挙げられる。
1980年に米国と伊国の合作映画『カリギュラ』が語源で、過激な内容の為、地域限定での公開
になり、世間の話題を惹いたことから心理効果として知られている。


上記の心理現象を経て、小林氏は効果的に課金型ブログ(Premium)へ誘導したと考えられる。

また課金ブログの理由(何故課金か)について小林氏ブログのユーザー登録画面から転載する。

<転載開始>
大地震発生の前兆をお知らせするブログです
 更新頻度は1日5回
 防災マニュアル「生き残りの知恵」を突く別追加ブログとして1日回追加更新いたします
 東北・関東大震災により、親を失った子どもたちの受け入れをしたいと思っています。しかし、
資金的な問題があり、みなさんのお力をお借りしたいと思います。 
なお、この件に対するお問い合わせには個別に答えることができません。
 よろしくお願いいたします       小林朝夫
<転載ここまで>

この様にCRMを狙った課金であり、故に社会性を保持し、購買動機を促進している。
(文脈について、一部詐欺を思わせる箇所があるが今回は触れない)



因みに小林氏の過去の地震予想を検証したブログを拝見したが、予測的中率は決して高くない
という結論であったが、課金ブログを選択した消費者にはコンコルド効果が発生し、当ブログ
から抜け出す事が困難となりうる可能性がある。

カテゴリ:事象と理論

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